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walking on(ときどきdiving or crawing)

 いつの間にか、前髪が目にかかるくらい伸びていた。今は大丈夫でも、帽子を被ったら邪魔だろう。
 切ろう。
 剃刀をビニルから出して。
 水が流れている。
 湯気が上がっていた。
 お湯になったようだ。
 変な水。
 媚びている水。
 剃刀を右手の指で持ち、鏡を見ながら、前髪を少しずつ切った。
  (森博嗣『ダウン・ツ・ヘブン』中公文庫、p.251-252)



 一昨日に角川短歌賞への作品50首を送り出した。
 今回の連作はもともと昨年の秋に歌壇賞(30首)に出しかけたものの、でも自分で納得がいかなくてやめて、半年以上ずーっと育ててきたものだった。できることはやったし、仲間内で批評してもらっていろいろ気づけたし、でも譲れない部分は譲らないで、いまの自分が一番納得できるかたちになったと思うのでよかった。
 定形外の大きな封筒を郵便局の係のひとに渡して、身を乗り出してカウンタの向こうの消印の日付を確認して(昨年、短歌研究新人賞に出したときは「これ今日の消印つきますよね?(おろおろ)」と訊ねたっけか)、行ってらっしゃい!楽しんでおいで!って送り出した。

 今回の連作には何回も何回も深く深く「潜った」のだけれど、締め切り前日に喫茶店での読み直し、最後のダイブのときなんか、周りが水というよりもうなんだか空気みたいな感じがして、当たり前にからだに50首、沁みこんでしまった。瑕はいくらでも挙げられるけれども、作品それ自体も、費やした時間も思いも愛おしいし、基になった種になった苦い若い辛い経験にも行き場のなかった思念にも、ようやくひとつの区切りをつけられたかなって感じでほっとしています。

 自分の手で大掛かりな憑き物落しを、自分に対してようやくなんとかこなし終えたので、次の日は一日眠ってしまった。
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆

 さてさて、生活の方はというとあれですね、GWのころから、地面にお腹こすりつけながら滑空しつつ、動力切れで伏せてしまい、なんとか這いずり…とかそんな感じです。
 アルバイトも結局続かなかったし、ざっくり言うとこの4月からずっと「平気なふり」を通していたのだなー、って。それにようやく気づいたのが先週くらいだったのだけれど。でもまあキャパシティの自己測定誤差を身をもって感じることができたので、じゃあ修正しましょうよ、図太く生き汚くだ。ってことでなんとか最近は歩いております。

 そう、文字通り歩いているのですよ。マイブームは徒歩通学です。三日坊主になるかと思ったら、大学に行く日は歩いていくのがいい感じに習慣化してきています。

 なんで自転車から徒歩通学にスイッチしたかと言いますと…
 食べているし寝ているのでじゃああとは運動だ!体力!というのがひとつ。
 徒歩だと通学時間を多めに見ないといけないから、家でぐずぐずする癖を修正できるのでは、という期待がもうひとつ。
 ですかねー。後者はまあ…すこしはあるかな…効果…

゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆

 あと、始めてみてあまり予想していなかった副次的な効果があって。
 やっぱり物をよく見るようになったこと。つばめの巣とか、あじさいのつぼみとか、楠の花とかとか。
 短歌会の後輩に「自然詠してくださいよ写生の歌もつくらなきゃ駄目でしょ」ってお叱りを受けた不肖☆歌詠みカサギですので、これはいい傾向ですな。
 (蛇足ですがなんかいきなりつばめのことが気になり始めてツイッターでひとり喋くりまくったあげく完全に自己満足でトゥギャッたりとかしちゃいました)

 それで、見ている物たちをなぞっていくと、僕って歩くとき七割がた下のほう向いているみたいだって気づきました。
 道端で今朝はとかげ(ヤモリ?)の、帰りにはすずめの死骸を見つけて、そう言えばそうかもなーって。すずめ、墜ちたあと明らかに一度踏まれていて、このままじゃまた誰かが気づかずに踏んでしまうかもと思い、植え込みまで運びました。
 墜ちてしまったことよりも、墜ちてから踏まれてしまったのがなんだかやり切れない。そのすずめは僕じゃないけれど。
 「土に帰る」ってことばもいつか死ぬのかなーとか思ったりします。「かなしい」とか「さみしい」にしては冷めていて、なんだかそう、「空しい」なー(そう言えば4年間ずっと使ってきたご飯茶碗がこの前あっけなく割れてしまって、供養したいなーって思いながら台所の作業台に置きっぱなしなんだった、どこに埋めたら良いものやらやら)。

 人間はもとから飛んでいないし、良くも悪くも地に足をつけて生きいかなきゃいけないし。だからせめて跳んだりはねたり見上げたり、歌ったりしたい。思いっきりね。

゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆

 憑き物は落ちたと思ったそのそばからまた新たに憑いてしまうもので、たいていはしばらくしないと気づかないんだろうけど、そういうものだ。そう、思うしかないのだ、のだ、だだだとつぶやいて、明日も僕は歩きますゆえ。
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